目次
プロフィール
名前:田中 啓介
出身地:大阪府
現住所:宍粟市一宮町
職業:養蜂家
所属:ShinobeeHoney
年代:30代
30年間の都会暮らしから宍粟市へ
この記事では、兵庫県宍粟市で新しい人生をスタートした先輩移住者の貴重な体験談をご紹介します。
先輩移住者の挑戦、経験した文化の違い、そして地方生活の魅力についてのリアルな話をお届けします。
今回話を聞いたのは、30年間「大阪・東京」の都会で暮らし、2019年から宍粟市に移住し、養蜂家として活動されている田中啓介さんです。
宍粟市に移住した経緯、現在の暮らしや魅力について語っていただきました。
インタビューの様子はYouTubeにもアップされています。
移住のきっかけ
宍粟市に移住された、きっかけは何ですか?
宍粟市に来る前は滋賀県に住んでいて、田舎町だからこそできる業を色々と展開していました。
元々大阪にいた時も自分で会社を経営していたので、田舎に移住しても、何か自分でやりたいと思っていました。
その中の一つが養蜂業です。
師匠がいましたが、その人から独立するタイミングで、独立の場所として良いところがないか探していたところ、山の自然が豊かな宍粟市に出会い、宍粟市で頑張ってみようと決めました。
私も宍粟市に移住して1ヶ月ですが、人との関係性は都会より濃いと感じています!
養蜂業に絞った理由
なぜお仕事を養蜂業に絞られたのですか?
お客さんの反応が非常に素直に感じられたことと蜜蜂を世話するのが楽しかったんです。
どの事業が自分の未来にワクワクできるかなと考えたとき、養蜂業でした。
だから、この事業に特化しようと思い、独立を決意しました。
私もShinobeeHoneyの蜂蜜を試させてもらいましたが、スーパーの蜂蜜とは全く違い、一口なめただけで心がしびれるような感覚を覚えました。
自分もそうで、師匠の山で初めて蜂蜜を食べた時は、今までの蜂蜜の概念が覆って、非常に感動しました。
特に、初めて買ってくれた人や食べてくれた人には、その同じ感動を持ってもらいたいと思っています。
最近、地域のイベントで初めて私たちの蜂蜜を買ったおじいちゃんがいて、「この前の蜂蜜はヤバかったわ!ハマってもうたわ!」と言ってくれて、年末のお歳暮に使いたいから注文すると言ってくれてました。
そういう反応も嬉しいですね。
蜂蜜の種類
蜂蜜は何種あるのですか?
宍粟市で生産から流通までを一元で行っているのは6種類です。
季節ごとに異なる種類の蜂蜜を採取し、独自の蜂蜜として流通させています。
全国の養蜂家さんたちとの繋がりから、同じ気持ちで物作りをしている商品を仕入れさせてもらっています。
特に、地元で採取できない蜂蜜もありますので、全部で10種類以上の蜂蜜をラインナップしています。
一つ一つ季節や花によって味や香りが変わるので、自分の好きな味を見つけるのも1つの楽しみ方です。
ぜひ、自分好みの蜂蜜を探してみてください。
私も全10種類をコンプリートしたいと思います。
蜂蜜に対する想い
蜂蜜に対してはどの様な想いを持って向き合っていますか?
蜂蜜に対しては、人の手を加えることなく、自然なままの状態を大切にしています。
人の手が入ると、自然な力が加わり、蜂蜜の魅力が減ってしまうのではないかと考えています。
火熱処理をしない非加熱を、私たちの蜂蜜の特徴の一つとしています。
非加熱だったのですね!
たまたま私も非加熱のナッツというものを好きで食べています!
商品として「ナッツ漬けの蜂蜜」もありますが、それも全て有機栽培のナッツや加熱処理されていないナッツで作られています。
素材を厳選し、蜂蜜につけ込むことで、そのままの味を保っています。
養蜂業の目標
養蜂のお仕事については、どのような目標を持っていますか?
養蜂業の目標は、蜜蜂の蜜源を育てていくことです。
宍粟市に来た理由の一つは、自然の豊かさにあるんです。
蜜蜂にとって本当の自然とは何かを考えたとき、手つかずの自然な山のある環境が蜜蜂にとって暮らしやすい環境だと思いました。
耕作放棄地も、地域の人たちにとっては課題となっていて、農業をしなくなったため放置されている場所もあります。
琵琶湖と同じ広さの内の9割が森林で、その広大な面積と深い山、雄大な自然の中で、蜂屋さんとして何ができるかを考えます。
蜜蜂を通して自然と寄り添って生活していくことが、私の目標です。
養蜂家と言うと、少し事業っぽいですが、蜂屋さんとして作っていきたい世界があります。
宍粟市の魅力
それらを踏まえて、宍粟市の魅力はどんなところだと思いますか?
宍粟市の魅力は、やはり自然ですね。
こんなに広い土地で、こんなに自然に囲まれているのは、本当に贅沢だと思います。
都会で暮らすのと田舎で暮らすのは、ベクトルが違います。
不便かもしれないけれど、この自然環境の中で生活できることは、私にとっても蜂にとっても嬉しいことです。
移住支援団体 しそくら
田中さんは、「しそくら」という移住支援団体も運営されていますが、
こちらはどの様な団体なのですか?
目指しているのは、宍粟市でこんな暮らしをしているという情報発信です。
宍粟市を知ってもらい、移住の選択肢に入れてもらえたら嬉しいし、移住を考えている人たちにとって役立つ情報になればありがたいです。
しそくらを始めたきっかけは何ですか?
しそくらを始めたきっかけは、移住者同士が硬くなく、横の繋がりで定期的に会ってワイワイ話したいという想いからです。
最初に移住した時に同世代の何か想いを持った人と出会うまでに約3年かかりました。
そこで、自然に繋がれるようなコミュニティを作りたいと思いました。
例えば、夏にバーベキューをしたり、冬に鍋をしたりすることで、自然に人と人が繋がって、そこから何か違うものが生まれ、次のステップへ進むことができれば、団体としても面白いと思います。
今後の夢や目標
蜂屋さんとしての将来の夢については先ほど伺いましたが、それ以外で将来的な夢や、特に宍粟市での目標があれば教えていただけますか?
宍粟市の人口は約35,000人で、東京23区と同じくらいの面積があります。
東京23区の人口は約1,000万人弱ですから、人口密度は全く異なります。
高齢化も進んでいて、将来的には人口が2万人台に入る可能性があります。
そこに対して、私たちが何かできるかと言われれば、正直分かりませんが、宍粟市の魅力を感じてもらい、イベントを通じて交流を深めることで、宍粟市に関わってくれる人が増えていくことを望んでいます。
しそくらの団体としては、ワクワクをテーマにしています。
宍粟市のワクワクを伝えられる人が増えれば嬉しいですね。
本日は、養蜂家の田中さんにお話を伺いました。
情報
生はちみつ(Shinobee Honey)
HP:https://honey888.theshop.jp
Instagram:instagram.com/shinobee_honey/
・Shinobeeについて
Shinobeeは、たなか養蜂園によって運営され、手間をかけて生産される天然・非加熱の「生はちみつ」を提供しています。
栄養が豊富で健康に良いとされています。
拠点の宍粟市は、兵庫県北西部の自然に恵まれた山間の町で、森林とミツバチが生み出す花の香り豊かなはちみつが特徴です。