プロフィール

お名前:志水英俊さん
出身地:宍粟市→アメリカ→三重県→愛知県→宍粟市
現住所:宍粟市山崎町職業:株式会社とくさや
年代:40代
移住年月:2008年

宍粟市へUターン移住

この記事では、兵庫県宍粟市で新しい人生をスタートした先輩移住者の貴重な体験談をご紹介します。

今回話を聞いたのは、一度は宍粟市から出た後、家業を継ぐために宍粟市へUターン移住し、着物屋の店主をされている志水さんです。宍粟市に移住した経緯、現在の暮らしや魅力について語っていただきました。

インタビューの様子はYouTubeにもアップされています。

自己紹介

こんにちは、株式会社とくさやで着物屋を営んでおります志水と申します。
今年で176年目を迎えさせていただいておりまして、地元の宍粟市で着物屋を営んでおります。

株式会社とくさやの着物

株式会社とくさやでは、どんなものを取り扱っているのでしょうか?

どんなものを扱っているかと言いますと、成人式や二十歳のお祝いの時に着ていただく振袖や、結婚式や入学式などの改まった場面で着ていただく着物、また普段のお楽しみとして着ていただく着物を取り扱っています。

今の夏の時期でしたら浴衣も取り扱っており、改まった場面で着るフォーマルな帯や、夏の普段着として着る麻の着物なども取り扱っています。

結婚式で着る留袖や訪問着などの改まった場面で着ていただく着物です。
一部、普段着として着ていただけるものもございます。

とくさやでは販売だけでなく、レンタルも行っており、二十歳のお祝いの時には、とくさやに美容師さん来て、髪の毛のセットや着付けのお手伝いをすることもできます。

とくさや 名前の由来

とくさやという名前の由来はなんでしょうか?

とくさやというのは、元々「徳を久しく」と書きます。
商いをする上で、お客様と長く良い関係を築くことを願って名付けられた屋号だと聞いています。

家業として代々続けられているのですね。志水さんは何代目ですか?

私は八代目です。

とくさやには、明治時代に使っていた大福帳という伝票も残っており、昔から地元の方々に支えられてきたことを実感します。
こうした歴史的なものが残っているのは、日本の職人の素晴らしさを感じますね。

和紙は非常に丈夫で、今でもしっかりと読むことができます。

Uターン移住のきっかけ

ここからは移住のお話も聞いて行きたいのですが、志水さんが宍粟市にUターン移住されたきっかけはどのようなものでしょうか?

私はもともと地元に帰ってくるつもりで高校を出たので、親から「家業をすぐに継ぐ約束でどこに行ってもいい」と言われ、高校卒業後にアメリカの大学に行かせてもらいました。

その後、家業を継ぐために着物屋で修行をさせてもらい、地元に戻ってきたという流れです。

アメリカでの生活はいかがでしたか?

最初は寮に入り、一部屋に三人おり、ルームメイトはアイスホッケーをしている子と、アメフトをしている子でした。カルチャーショックもありましたが、とても楽しい経験をさせてもらいました。

日本とアメリカで感じたギャップ

アメリカでの経験を経て、宍粟市や日本との違いを感じたことはありますか?

海外に行くと日本の文化について質問されたり、地元の名物について聞かれたりしましたが、自分の地元についてあまり知識がないことに気づき、少し恥ずかしいと思いましたね。

なんでもっと自分のことをきちんと喋れないのかなと思いましたね。

日本人だから知っているだろうと思われて、歌舞伎について質問されても答えられないことが多かったです。

なので地元に帰ったらもう一度 勉強し直そうと思いました。

三重県で修行

アメリカから日本に帰国後、いきなり地元では働かず、一度外に出られたのですね。

卒業後、三重県に本社がある着物屋で5年間修行させてもらいました。日本で初めての一人暮らしでしたが、コンビニがあったり、好きなものが買えたりする便利さを感じました。

都会と比べて地元の良さを感じることはありますか?

私の妻は三重県の四日市から来ており、星がとても綺麗だと感動していました。都会では星を見ることが少ないので、地元での子育てが自然と触れ合いながら学べるのは素晴らしいことだと思います。

都会と地方の子育ての違いについてどう感じますか?

都会では小さい頃から受験や塾通いが多く、机の上での勉強が中心ですが、地方ではそういったプレッシャーが少ないです。

地元での子育ては自然の中で多様な経験ができ、知識だけでなく知恵も学べると思います。

移住を考えている方へ

地方に移住を考えている方へのメッセージをお願いします。

若い方でも、今はテクノロジーの進歩でどこにいても仕事ができる時代です。

例えば私の場合、海外での経験を活かして、海外へ商品を送ったり、アマゾンを通じて日本国内外に向けてネット販売を行ったりしています。

都会でしかできない仕事は少なくなり、地方での若い方の可能性も広がっていると思います。

特に子育て世代の親御さんには、地方での子育てをおすすめしたいです。

都会ではできない多様な経験を子供に提供でき、机の上での勉強以外の経験が知識ではなく、知恵を育む学びになると思います。

いろんな経験ができるこの地方に、ぜひ多くの方に移り住んでいただけたらと思います。

デザインのお仕事

宍粟の観光マップというものがあるのですが、実は志水さんがこのマップのデザインをされているとのことで!

私の商いのモットーは「美しい和の文化を未来へ」というもので、和を感じられるチラシやパンフレットのデザインなども手掛けています。

商いをする上で、複数の収入の柱を持つことで安定感を増し、いろんな分野で挑戦することが重要だと考えています。

日本の文化は、同じことを続けるだけでなく、改善や挑戦を続けた結果として育まれたものだと思います。職人が技を磨き続けた結果、100年後も残る素晴らしいものが生まれるように、私もこれからも挑戦を続けたいと思います。

関連情報

▪︎株式会社とくさや
HP:https://www.tokusaya.com/
Instagram:@kimono_tokusaya