プロフィール

お名前:森蔭都さん
出身地:三木市→姫路市(移住前)
現住所:宍粟市山崎町
職業:コスモス・訪問看護ステーション
年代:40代
移住年月:2004年

姫路市から宍粟市へ移住

この記事では、兵庫県宍粟市で新しい人生をスタートした先輩移住者の貴重な体験談をご紹介します。

今回お話を伺ったのは、姫路市から宍粟市へ移住され、訪問看護をされている森蔭都さんです。宍粟市に移住した経緯や、現在の暮らし、そしてその魅力についてお話しいただきました。

インタビューの様子はYouTubeにもアップされています。

自己紹介

コスモス訪問看護ステーションの森蔭(もりかげ)と申します。
よろしくお願いします。

コスモス訪問看護ステーションとは?

コスモス訪問看護ステーションとはどういった場所ですか?

コスモス訪問看護ステーションは、各家庭を訪問して看護業務を行う職場です。

訪問看護は看護師だけでなく、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士なども訪問し、リハビリを行うこともあります。

※画像はイメージです

森蔭さんは、こちらの施設の代表を務めていらっしゃるのでしょうか?

私は管理者をしています。

こちらの建物は、もともと何もなかった場所だったのでしょうか?

もともとは薬局が入っていた居抜き物件だったんですよ。私が見たときにはもう閉店していて、今は家主さんから借りて運営しています。

訪問看護ステーションを開設されたのは、いつ頃ですか?

10年ちょっと前ですね。2024年12月1日でちょうど10周年を迎えました。

なぜ訪問看護ステーションを立ち上げようと思われたのでしょうか?

もともとは大きな病院で働こうと思っていたんですが、結婚を機に宍粟市に移住して、働き方について改めて考えるようになりました。

地元の「いなもち医院」で働いていたとき、長年通院されている患者さんと接する中で、「訪問看護の必要性」を強く感じるようになったんです。

病院に通えるうちはいいんですが、体調が悪化すると通院が難しくなり、往診以外の選択肢がほとんどなくなってしまうんですよね。

そうすると、支援が途切れてしまうことも多くて…。

あと、私自身が病気を経験したことや、妊娠を機に「命と向き合うこと」について考えるようになったことも、訪問看護を始めるきっかけになりました。

※実際の利用者さんの声をお聞きしました

介護をしていると、どうしても精神的に追い詰められることがありました。「もう無理かもしれない…」と何度も思いましたが、訪問看護師さんが支えてくれたおかげで、なんとか乗り越えることができました。

そして何より、母が最期の時間を自宅で過ごせたことが本当に良かったです。

病院ではなく、家で過ごすことができたのは、訪問看護があったからこそ。
「本人が望むことをしてあげるのが一番ですよ」と看護師さんが背中を押してくれて、家族みんなで一緒に過ごしながら、好きなものを食べたり、話したりすることができました。

また、訪問看護が入ることで、介護する側の負担もかなり軽くなりました。

一人で抱え込む必要がなくなり、「訪問看護師さんが定期的に来てくれる」というだけで、すごく安心できました。

何より、看護師さんがただの介護ではなく、こちらの気持ちにも寄り添ってくれたのが、本当に嬉しかったです。

移住前の生活は?

移住前はどちらに住んでいらっしゃったのですか?

兵庫県姫路市に住んでいました。

移住前は、新日鉄広畑病院で勤務して、その頃は寮で一人暮らしをしていましたが、結婚を機に移住し、24歳の頃、夫の実家の隣の空き家を建て直し、住むことになりました。

看護師になろうと思ったきっかけ

看護師になろうと思ったきっかけは?

母が看護師だったので、幼稚園の頃から憧れていました。高校では剣道をしていて、警察官になろうか看護師になろうか迷ったんですが、最終的に看護師を選びました。

子育て環境

お子さんはいらっしゃいますか?

はい、2人います。上の子は中学2年生で、下の子は小学校高学年です。

子育ての環境はいかがですか?

環境はすごくいいんですが、子どもが友達と遊ぶためには、ちょっと移動が必要なのが大変だと感じています。

子育ての良い面で言うと、田んぼとかですね。
私たちは良いと思っているんですけど、子どもたちは「また田んぼあるらしいわ」って先生にぼやいているらしいですね(笑)。

お米作りを3家族で取り組んでいます。
大変ですが、それなりに楽しんでいます。

11月の初めにようやく籾摺り(もみすり)が終わり、収穫量が分かりましたが、去年は1.5反で300キロ収穫できたんですが、今年は4.5反作付けしたのに、収穫量はほぼ同じくらいでした。

でも、もともと自然の味を楽しもうという遊び感覚でやっているので、今年は肥料を入れずに挑戦してみたんです。

「地力だけで育ててみよう!」っていう感じで。子どもにはバイト代を発生させて!

バイト代が発生するのよいですね!

もらったバイト代を、その日のうちに使って恐竜の着ぐるみを買ってました(笑)。
まあ、親子だからこそできることかなと思いますね。

宍粟市の良いところ

他にも宍粟市の良いと感じるところはありますか?

野菜はお父さんが作ってくれるので助かっていますし、地元の直売所でも新鮮な野菜が安く手に入ります。あと、鹿肉をいただくこともあるので、食の面では本当に恵まれていますね。

今後の目標や展望

これからの目標や展望はありますか?

地域の方が気軽に立ち寄れる場所を作りたいなと思っています。

例えば、食事の準備が難しくなった方がふらっと来られるような場所とか、障がいのある方が働ける環境も整えていきたいですね。

あと、夫が「古着屋をやりたい」と言っているので、それと組み合わせるのも面白いかもしれません。

移住・訪問看護のお仕事を考える方へ

田舎で訪問看護のお仕事を考えている方へメッセージをお願いします。

訪問看護の仕事は、人と人をつなぐ役割があります。
田舎ではサービスや施設が限られていますが、その中で工夫しながら「できることを考えること」が大事だなと思っています。

刺激的で過酷な場面にも直面します。
以前、竹の木に点滴をくくりつけたことがあります(笑)。

※写真はイメージです

一度、竹がポキッと折れたことがあって(笑)。
点滴を固定したんですが、500gもある点滴が重すぎて、細い竹の枝では耐えきれなかったんです。

「もっと工夫が必要だな」って実感しました。

そういう状況を楽しめる人には向いているかもしれませんが、苦手な人には厳しい環境かもしれませんね。

でも、そういった経験を通じて、創意工夫で乗り切る力がついていくものなんですね!お話いただきありがとうございました!

関連情報

コスモス訪問看護ステーション:https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/28/index.php?action_kouhyou_detail_004_kihon=true&JigyosyoCd=2863890105-00&ServiceCd=130