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プロフィール
お名前:水谷造宏さん・有香さん
出身地:三重県四日市→ドイツ
現住所:宍粟市一宮町
職業:民泊いなほ館 オーナー
年代:40代・50代
移住年月:2025年 2月
ドイツから宍粟市へ
今回ご紹介するのは、兵庫県宍粟市一宮町で民泊「稲穂館」を始められた水谷ご夫妻です。
長年ドイツで暮らした経験を経て帰国したお二人に、移住のきっかけや宍粟での暮らしの魅力を伺いました。
インタビューの様子はYouTubeでも公開中。ぜひ動画とあわせてご覧ください。

自己紹介
こんにちは!本日はよろしくお願いします。
水谷造宏(たつひろ)です。三重県四日市の出身ですが、ドイツ・ハイデルベルクで暮らしていて、そこから宍粟市に移住してきました。
私は妻のゆかです。同じく四日市出身で、ここ宍粟で夫と一緒に民泊をスタートさせる予定です。

民泊:いなほ館の案内 1F
こちらが「いなほ館」ですね。まずは館内を案内していただけますか?
はい。ここがエントランスで、受付や待合スペースになります。
実は、ここは昔は呉服屋さんの店舗だったそうで、床も壁もボロボロ、雨漏りもひどい状態でした。最初に見たときは「これは大丈夫かな」と思いましたね。
少しずつですが、ここで居酒屋もできるように木目調の床やお座敷も整えていく予定です。


民泊:いなほ館の案内 2F
2階には客室があります。ドミトリータイプと個室があり、個室はお布団を持ち込めば二人でも泊まれるようになっています。


DIY改装の裏側
館内はかなり手を入れられていますね。
そうなんです。特にシャワールームは最初は浴槽付きの古いお風呂場があって、とても使える状態ではありませんでした。そこでハンマーを借りて、自分で浴槽を壊したんです。

えっ、ご自身で?
はい。大工仕事はまったくの未経験でしたが、思い切って取りかかりました。お風呂場を解体して、ユニット式のシャワールームを設置しました。
細かい仕上げや配管工事は業者さんにお願いしましたが、基本的な解体や下準備は自分でやりました。
ドイツでの経歴
お二人はドイツに長く住まれていたそうですね。
はい。料理のアルバイト経験を活かしてドイツに渡り、レストランで働き始めました。最初は「5年くらいで帰国する」と思っていたんですが、住み心地が良くて気づけば19年。途中で独立して弁当屋を経営していました。


私も夫との結婚を機に、ドイツで約10年暮らしました。便利すぎない生活が好きでしたね。スーパーは日曜休みで不便な面もありますが、働く人がちゃんと休める仕組みがあってメリハリがあるんです。
移住のきっかけ
では、なぜ日本に戻ろうと決めたのでしょうか?
ドイツは住みやすいですが、やはり外国人として制約が多いんです。ビザや永住権の更新も必要ですし、「老後は日本で」と決めていました。
民泊を始めるのに最適な古民家を探していたところ、今の古民家と出会ったのが大きなきっかけです。

古民家はどのようにして見つけられたのでしょうか?
実は「家いちば」という個人売買のサイトで見つけたんです。中古物件を個人同士でやり取りできるんですが、宅建士さんが仲介に入ってくれる仕組みになっていて。
不動産会社経由ではなく、直接持ち主と交渉されたんですね。
地元の三重県四日市から車で3時間以内のエリアで探していたので、宍粟はちょうど条件に合っていました。実際に足を運ぶと自然も豊かで、人も温かいと感じられました。
民泊の名前・開業の経緯
民泊の名前「いなほ館」ですが、名前の由来は?
もともとドイツでお弁当屋をやっていて、その弁当屋が「いなほ」にっていう名前なんです。それで稲穂という名前をつけて、それもちょっと引き継いでそのまま使おうか?なという感じでしました。

民泊を始めた経緯は?
もともと飲食の仕事をしていたので、日本に帰ってきたら飲食店をやろうと考えていました。ただ、飲食店だけではちょっと厳しいと思ったんです。都会だと家賃が高いし、田舎でやるとなると今度はお客さんの数が限られてしまう。
そこで「宿泊と飲食を組み合わせればいいんじゃないか」と考えて、両方できる物件を探していました。宿泊業と飲食業って相性がいいと思うんです。まずは民泊から始めて、いずれ飲食も展開していければと考えています。
今後の目標は?
今後の目標を教えてください。
まずは民泊を軌道に乗せたいです。その後は居酒屋も開きたい。宿泊と飲食を組み合わせることで、観光客と地元の人が交流できる場所にしたいと思っています。
最近は体験型の旅行を望む方も多いので、この自然を活かしたプランも提供していきたいです。
移住を考えている方へのメッセージ
最後に、移住を考えている方へメッセージをお願いします。
交通の便は都会に比べると不便かもしれません。
また、人とのつながりやコミュニケーションの仕方は都会とはまったく違います。
町のイベントや地域の集まりに参加する機会も多いので、それが苦手な人にとっては少しハードルが高いかもしれません。
でも、そういうことが苦にならない人、むしろ楽しめる人にとっては本当に良い場所だと思います。宍粟の人は本当に温かいんです。
自然も豊かで、冬はとても寒いですが、それも含めて「こういう場所が好き」と思えるなら、きっと暮らしやすいと感じられるはずです。なにより、人の良さが一番の魅力だと思いますね。
まとめ
ドイツでの暮らしを経て、宍粟市で新たな一歩を踏み出した水谷ご夫妻。古民家を自らの手で改装し、「いなほ館」として生まれ変わらせる姿には、この地域で暮らす覚悟と希望が感じられました。
「一度この地に触れてみてほしい」と話してくれたお二人。いなほ館の扉を開ければ、宍粟の自然と人の魅力をきっと実感できるはずです。
民泊 いなほ館
インスタグラム:@inahokan
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