お名前:有富壮太さん
出身地:福岡県 北九州
現住所:宍粟市千種
肩書:豚骨ラーメンつばき 店主
年代:40代
移住年月:2010年

宍粟市山崎町で「豚骨らーめんつばき」を営む有富壮太さん。
山崎町でお店を始めて約5年。移住してきたのは、それよりずっと前の約15年前のことだそうです。
今回は、有富さんに移住のきっかけや、宍粟での子育て、そしてお店づくりへの思いについてお話を伺いました。

自己紹介

まずは自己紹介をお願いします。

宍粟市山崎町で「豚骨らーめんつばき」をやっております、有富壮太です。よろしくお願いします。

このお店は始められて何年くらいになるんですか?

5年ですね。ここを始めたのは5年前です。

お店を始めたタイミングで移住してこられたんですか?

いや、移住はもっと前ですね。たぶん15年前です。
生まれも育ちも福岡県北九州市で、20歳ぐらいの時に地元を出て、神戸や愛知、大阪を経て、こっちに来ました。仕事はずっと飲食関係でした。

子どもの体調が、移住のきっかけになった

宍粟に来るきっかけは何だったんですか?

一番大きかったのは、子どもの体調ですね。
大阪に住んでいた時、一番上の子が喘息とアレルギーを持っていて。住んでいた場所も空気があまり良くなかったんです。

ちょうどその頃、妻が入院することになって、子どもを妻の実家に預けることになったんですよ。それが宍粟市千種町でした。
3か月くらい預けていて、久しぶりに会った時に、肌荒れがすごくきれいになっていて、喘息も良くなっていたんです。

そんなことがあるんですね!

そうですね。
「水と空気が合ったのかな」っていう話になって。大阪にいる時はどんどん体調が悪くなっていたので、環境の影響はあるんだろうなと思っていました。
それで、宍粟に移って新しく仕事を始めようという話になって、千種に引っ越してきました。

宍粟での子育ては、良いことばかりではない

その後もずっと宍粟で子育てをされてきたんですね。

そうですね。子どもは5人いて、みんな学生です。上は高校生で、一番下も中学生です。

宍粟での子育て環境は、実際どうですか?

良いところもあるし、不便なところもありますね。
まず、学校まで歩いて行ける距離じゃないんです。5キロくらいあるので、自転車で行くこともありますけど、今はクマも出るので、送っていかなあかん時もある。しかも朝のバスがない。公共交通機関を使って通うには厳しいんですよ。

生活の中での不便さはやっぱりありますよね。

ありますね。
でも環境的には、小学校・中学校・高校が全部1クラスずつしかないので、12年間ずっと同じ顔ぶれで過ごすんです。
それは良い面でもあって、深い付き合いができるし、先生の目も届きやすい。1クラス40人とかじゃないから、少人数制ならではの良さはあると思います。

宍粟に来てから、仕事をつくってきた

移住してきてから、お仕事はどうされていたんですか?

最初は何も職がなくて大変でしたね。求人誌もなくて、仕事探しには苦労しました。
その後は姫路の方まで出てラーメン屋で働いていて、姫路市広畑に「つばき」という店を出したんです。それが8年前ですね。

そこから山崎にもお店を出されたんですね。

そうです。広畑と山崎の両方でやっていた時期がありました。
ただ、コロナの時に広畑のお店はお客さんが半分くらいになって、家賃も高かったので、このままだと厳しいなと。
結果的に広畑は閉めて、今は山崎のこの店1本でやっています。

「本場のまま」ではなく、この地域で食べやすい豚骨を

やっぱりお店の売りは豚骨ラーメンですか?

そうですね。基本は豚骨ラーメン専門店です。
ただ、福岡の豚骨ラーメンって、向こうでは当たり前なんですけど、しっかり臭いがあるんですよ。仕込む時も臭いし、出した時もちゃんと豚骨の香りがある。

でも、それをそのままこっちに持ってきても、なかなか受け入れられないんです。こっちの人は、あんまり臭くないものを好む人が多いので。

臭いものを極力臭くないように作る。それがこの店のコンセプトですね。
豚骨ラーメンがちょっと苦手という人でも食べられるようにしたい。みんなで来やすい店を作りたいんです。

あっさり、普通、こってりの3種類を用意しています。
さっぱり食べたい人もいれば、脂が欲しい人もいるので、その幅を持たせています。幅広い人に来てほしいというのが一番ですね。

宍粟で商売をするということ

宍粟で飲食店を続けていくのは、やっぱり簡単ではないですか?

正直きついです。
一番きついのは、やっぱり人数が少ないことですね。お客さんの数が少ないから、コンセプトをしっかり持ってやらないと難しい。周りのお店も少ないですけど、その分レベルも高いですし。

宍粟での暮らしについては、どんなふうに感じていますか?

ゆっくり時間が流れていて、自然も豊かで、ストレスがたまりにくい場所だと思います。
在宅ワークができる人には向いていると思うし、農業をしたい人にも可能性はある。土地もあるし、やろうと思えばいろいろできる場所です。

でも逆に、ただ「田舎に住みたい」だけだと、ちょっと現実を突きつけられるかなとも思います。
不便なことも多いので、そこを分かった上で来るなら、いい場所やと思います。

まとめ

子どもの体調をきっかけに宍粟へ移住し、家族とともにこの土地で暮らしながら、山崎町で「豚骨らーめんつばき」を営む有富壮太さん。
お話の中で印象的だったのは、宍粟の良いところだけでなく、不便さや厳しさも率直に語ってくださったことでした。

自然豊かな環境、少人数ならではの子育ての良さ。
その一方で、交通の不便さや、地方で仕事を続ける難しさもある。
そうした現実を受け止めながら、それでも家族の環境を大切にし、この土地に合った一杯を作り続けている。その姿がとても印象に残るインタビューでした。

関連情報

豚骨らーめんつばき:https://tonkotsuramen-tsubaki.com/