プロフィール

・名前:中塩雅己さん
・出身地:神戸市、姫路から移住
・現住所:宍粟市山崎町
・職業:自然芸農人
・年代:30代
・移住年月:2026年

神戸から宍粟市へ移住

今回は、兵庫県宍粟市で自然栽培の米づくりと、農業を通じたコミュニティづくりに取り組む、中塩雅己さんにお話を伺います。神戸から宍粟へ移住し、無農薬・無肥料・除草剤不使用の米づくりに取り組む中塩さん。今回は、移住のきっかけや米づくりへの思い、人がつながる場づくりについて、お話を聞かせていただきます。インタビューの様子は YouTube でも公開中です。
ぜひ動画とあわせてご覧ください。

自然栽培の米づくりとコミュニティづくり

まず、中塩さんの普段の取り組みについて教えてください。

無農薬・無肥料・除草剤不使用で、お米づくりをしています。
それと、お米や農業をきっかけにしたコミュニティづくりにも取り組んでいます。
田植え体験や収穫体験、交流会などを通して、人と人がつながる場をつくっています。
ただお米を作るだけではなくて、農業を通して人が集まり、関係性が生まれていくことを大切にしています。

岩神神社とのご縁で出会った古民家

こちらの古民家とは、どのようなご縁で出会ったのでしょうか?

この少し先に岩神神社という神社があって、2、3年前からずっと参拝していたんです。
その中で、この地域にご縁を感じていました。
そんな時に、神社の麓にある物件を見に来ないかと声をかけてもらいました。

仲間と一緒に見に来たら、前の方がとても丁寧に使われていた家で、すごく綺麗だったんです。
見た瞬間に「いいな」と思いました。
そこから、この場所を「イワガミ邸」として活用していくことになりました。

発酵料理と農の体験がつながる場所

この場所では、どのような活動をされているのでしょうか?

普段は「農交流」と呼んでいて、田んぼや畑で土に触れる体験をしたり、古民家に集まってごはんを食べたりしています。
一緒に活動している二宮まなみさんが、自家製の麹調味料などを使った発酵料理を作ってくれます。

その料理を食べながら、自分たちの活動のことや、何気ない話をしています。

ただ農作業をするだけではなくて、来てくれた人同士が仲良くなっていく。
そういう関係性を深める場所にしていきたいと思っています。

体を壊したことが、人生を見つめ直すきっかけに

宍粟へ移住することになったきっかけを教えてください。

4年前に体を壊したんです。
もともとは神戸・阪神間で、不動産売買の営業マンをしていました。
体調を崩して休職することになり、この先どう働いて、どういう人生をつくっていくのかを考えるようになりました。

ちょうど30歳になる頃で、コロナ禍も重なっていました。
世の中の働き方も変わっていくかもしれない。
そんな中で、ずっと心のどこかに社会への違和感もありました。

その時、姫路にいる友人が心配して声をかけてくれたんです。
当時は電車に乗るのもしんどい状態でしたが、なんとか姫路まで行きました。
駅まで迎えに来てもらって、車で連れて行かれた先が、宍粟の一枚の田んぼでした。
「ここで何するん?」と思っていたら、「今から草引きしよう」と言われて。
それが、米づくりとの出会いでした。

米づくりから始まったリアプラス農業

そこから現在の活動につながっていったのですね。

僕はもともと、コミュニティを作りたいという思いがありました。
人とのつながりが好きだったんです。
そこで、お米づくりをしながら、農業を応援してもらい、それをコミュニティにしていく形が面白いんじゃないかと思いました。

活動名の「リア」は、Life is Art から来ています。
人生は、自分の好きな絵を描いていくようなもの。
一人ひとりが主役で、自分はこう生きたい、これがしたい、これが好きだという思いを大切にしてほしい。

田んぼや自然の中では、大人も子どもも童心に戻れる。
そんな場所をつくりたいと思っています。

目指しているのは、農家になることではない

中塩さんが目指しているものは何ですか?

僕が目指しているのは、農家になることではありません。
市民一人ひとりが、自分の地域に残っている田んぼで、地域の人たちと一緒にお米を作る。
そして、できたお米をみんなで食べる。
一人ひとりが生産者になることが、本質だと思っています。

昔は、みんなで作って、みんなで食べていたと思うんです。
その姿に戻していきたい。
ここで米づくりを覚えてもらって、自分の地域に持ち帰ってもらえたら嬉しいです。

移住の不安を下げる場所に

移住を考えている人に対して、どのような場所にしていきたいですか?

移住する時に一番ハードルになるのは、知り合いがいないことだと思います。
どんなお店があるのか。
どんな仕事をしたらいいのか。
地域に馴染めるのか。

不安が大きいんですよね。

だからこそ、この古民家「岩神」が、最初のきっかけになる場所になれば嬉しいです。
宍粟に来た時に、まず立ち寄れる場所。
神戸から来た経験も話せますし、不安に思っていることも共有できます。
そうやって、不安を少しずつ下げていける場所にしていきたいです。

まとめ

神戸から宍粟市へ移住し、自然栽培の米づくりとコミュニティづくりに取り組む中塩雅己さん。
中塩さんが大切にしているのは、ただお米を作ることではありません。
田んぼや畑に人が集まり、土に触れ、食卓を囲みながら、人と人がつながっていくこと。
「農家になること」が目的ではなく、一人ひとりが生産者として、自分たちの暮らしを自分たちでつくっていく。
その思いが、米づくりや古民家「イワガミ邸」での活動につながっています。
移住者と地元の人が自然と出会い、支え合える場所へ。
宍粟の自然の中で、米づくりから始まる新しいつながりが、少しずつ育まれています。

関連情報

中塩雅己さんInstagram:@masaki0512
LIA+農文化コミュニティ:@lifeisart_community